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楕円チェーンリングのROTOR Q-rings。そのメカニズムとは? 

こんにちは。西新宿の自転車メンテナンス、カスタマイズ、出張修理専門サービスのVIKING the MAINTENANCE です。

今日の作業はMERIDA(メリダ)のREACTO(リアクト)シリーズにスペインのメーカーであるROTOR(ローター)の楕円チェーンリングとクランク、さらにはBBの装着を承りました。

ROTORの楕円チェーンリング(Q-rings)を使用することで、ぺダリングパワーの効率化が謳われています。まず最初にそのメカニズムをちょっと解説します。

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パワーを効率よく伝達するメカニズムとは

チェーンリングにぺダリングのパワーが最大にかかるポイントは2か所です。その場所とは右のクランクで4時あたりに来たときです。4時を超えていくと、徐々にぺダリングパワーが減少します。

Q-ringsはぺダリングパワーが最大になる4時の部分に最大ギア(楕円が縦長)が来るように設置することで推進力を獲得しながら、ぺダリングパワーが一番減少する場所には最小ギア(楕円が横広)を設置しパワーロスを無くそうという考え方です。

力が最大にかかる部分には、最大ギアをしっかり使い、力が掛からない部分は最小ギアを使用しチェーンを素早く通過させます。そうすることで、パワーロスを最小限にして最大ギアに早く到達できる仕組みなのです。

パワーロスを最小限にすることで、筋肉の疲労が真円のチェーンリングよりも抑えることができ、より長時間、長距離のライドにメリットが出てきます。

Q-ringsは真円のチェーンリングよりもスピードアップできるアイテムというわけではなく、ぺダリングパワーが最大になる部分に効率よく伝達するアイテムなのです。

OCPの設定で最大ギアの位置を変更

Q-ringsはクランクに取り付けるボルト位置を変更することで、最大ギアが来る位置を調整することができるOCP(OPTIMUM CHAINRING POSITION)を採用しています。

ポジションを変化させることで、ユーザーさんのライディングスタイルやポジションに合わせたセッティング可能になるという仕組みです。

写真は今回取付させていただいたエアロ形状のQ-ringsで実際に設定したものです。最大ギアが4時の部分にくるポジションである「OCP3」で設定しました(OCP3が標準設定)。ちなみにOCP2に設定すると4時よりも手前で、最大ギアになります。逆にOCP4であれば4時よりも後に最大ギアに到達します。

Q-ringsをTTバイクなどで使用する場合には、乗車ポジションが前乗りになるため、力がもっとも入る位置が4時より深い5時方向へ移動します。そのためOCPポジションを3から4に変更すると良いとされています。

逆にMTBのような後ろ乗りの場合は、OCPポジションを番号を若くすることで最大ギアを早めに持ってくることができます。

革新的パーツの乗り心地はどうか

Q-ringsを導入するか否かは、ペダルを回した時の印象も大事になってきます。特にチェーンリングが楕円形のため、漕ぎ心地が気になるとこですよね。

チェーンリングが楕円だとしても、クランクの回転が楕円になるわけではありません。Q-ringsによってチェーンが上下運動をするイメージです。

初めて乗った時は、最大、最小パワーのポイントで力のOn・Off感は感じましたが、しばらくすると違和感もなくなり、真円のチェーンリングを回している感覚とほとんど変わらない印象です。

Q-ringsをはじめとした楕円のチェーンリングは、ビンディングペダルやサスペンション、STIレバーなどのブレーキ・シフトの一体型レバーと同じくらいの革新的パーツを言われています。

私も使っていますが、かなり実感を得られるカスタムパーツだと思います。一度試してみる価値は大きいと思いますよ。

セラミックBBの効果とは

また、ROTORのチェーンリングとBBをセットで使うとよりパフォーマンスが高まります。

特に今回はROTORのセラミック製のベアリングを使用したBBをチョイスしたので、クランクを回した時の回転力が、通常のスチールベアリングのBBよりも向上しています。

それにより、データ上同じギアにおいて、スチールベアリングのBBより回転抵抗が少なく踏み込むことができるようになるので、疲労の軽減を含めて長時間ペダルを回し続けるロングライドに期待が持てるパーツです。

しかし一方で、最近のカーボンフレームはBBの規格が乱立していて、ユーザーさん側からしてみたら全く理解不能と言っても過言ではありません。購入時は細心の注意が必要です。

関連記事:【プラクシスワークス】スペシャライズドのOSBBにシマノクランクを装着

今回のメリダ・リアクトは「BBright」というBB規格を採用したフレームでした。さらにこのROTORのセラミックBBは、シマノ製のクランクに採用されるクランクのスピンドル径が24mmに対応したBBになります。

ROTORのセラミックBBは赤いカラーが目印でノーマルのスチールベアリングBBはブラックという具合に差別化しています。

フレームへは専用工具を用いて圧入(プレス)をし装着します。

ROTORの製品は、専用工具を使用する場合もあるため、個人での装着はおすすめしません。パーツのお持ち込みも喜んでご対応しますのでまずはお問い合わせ頂ければと思います。

今回は少し難しい話題になってしまいました。

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それでは。

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