毎年1度は行いたいロードバイクのオーバーホール、フルメンテナンス。コースと作業工程のご紹介

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こんにちは。VIKING the MAINTENANCE(バイキング・ザ・メンテナンス)は西新宿を拠点に展開するスポーツバイクのメンテナンス、修理、カスタマイズ専門店です。

私がユーザーさんに年に1度行ってほしい作業が、自転車のオーバーホール、フルメンテナンスです。これはロードバイクに限った話ではなく、MTB、シクロクロス、ミニベロ、クロスバイクなどすべてのスポーツ自転車におすすめしています。

今回は自転車に乗れる機会が減るオフシーズンだからこそ、VIKING the MAINTENANCEがおすすめするロードバイクのオーバーホール、フルメンテナンスの作業内容をご紹介します。

オーバーホール、フルメンテナンスなら「Cメンテナンス」

一般的にフルメンテナンスとオーバーホールの違いは定義されていませんが、VIKINGは同じ意味で使っています。VIKINGが考えているフルメンテナンス、オーバーホールは、できる限り購入した時と同じレベルの性能に回復させることです。もしくは、さらにカスタマイズをすることで、購入時よりも高いパフォーマンスが得られるようにご案内することです。

VIKING the MAINTENANCEではフルメンテナンス、オーバーホールを「Cメンテナンス」と称してご案内しています。料金はギアの有り無し、自転車のジャンルによって変わってきますが、基本的なロードバイク完成車の場合、基本工賃として税別28,000円~と交換を要した部品代の合計をいただく形になります。

簡単に合計料金のシミュレーションしますと下記の具合です。

基本工賃と補修系の部品代を合わせて約55,000円前後です。リムブレーキ機械式シフトのユーザーさんであればこの料金が一つの目安となります。ただユーザーさん一人ひとり自転車の状態は異なりますので、交換部品がさらに増えたり、逆に少なく済むケースもあります。

VIKINGではほかにも基本的なメンテナンスのみ行う「Aメンテナンス」やワイヤーケーブル交換をセットにした「Bメンテナンス」もご用意しています。A,Bそれぞれのメンテナンスの詳細に関しては以下の関連記事をどうぞ。

関連記事:自転車のメンテナンス 予算に合わせた3つのコースとは?

では、そのオーバーホール(Cメンテナンス)は具体的な作業内容をご紹介していきます。

STEP 1 洗車

VIKINGのオーバーホールはまず洗車から始まります。ライトやメーター等のアクセサリーは予め取り外し車体全体を水洗いします。VIKINGの洗車はまずパーツクリーナーやディグリーザーで全体の油汚れを落とし、ある程度きれいになった時点で泡洗車を行います。

水をかけてすすぎをするとこの通り大まかな汚れはある程度落とすことができます。ただオーバーホールは隅々までメンテナンスを行いますので、この状態からでは見えない汚れ、劣化が多く潜んでいます。

STEP 2 フレーム、フォーク、パーツを分解

洗車を終え、余計な水分を吹き飛ばした後はフレームに取り付けられているパーツをすべて取外し、分解していきます。ホイール、ワイヤーケーブルはもちろんのこと、ギア周りのパーツであるコンポーネントをはじめロードバイクに取り付けられているパーツをすべて単体にしていきます。

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BBなど専用工具が必要な場所もあり、丁寧に取り外していきます。BBはぺダリングをする上で重要な回転パーツです。最近のBBはフレームの形状や素材によって様々なタイプが存在しています。そのあたりの規格も把握しながら、どのような方法が性能アップにつながるかなどカスタマイズ案を考えながら取り外します。

STEP 3 パーツをクリーニング

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次に分解したパーツを洗浄し、磨き上げていく作業です。STEP 1の洗車である程度の汚れは落ちているのですが、洗車では見えなかったり、届かなかったりした部分や、駆動系回りの汚れは洗車では完全に落としきれないため、専用のクリーナーを使用して、脱脂、クリーニングします。

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BBを取り外した部分には、同じくアルコール系のクリーナーで洗浄し、新しいBBもしくは再度同じBBがスムーズに取り付けられるように、固着防止のグリスを塗ります。

昨今はプレスフィット(圧入)式のBBがローバイクを中心に多くなっています。プレスフィットの場合は基本的に取り外しはせず、ベアリングやシールのクリーニングを行います。またプレスフィット式の場合、セラミックベアリングが入った高性能のBBに交換することもおすすめしています。摩擦抵抗が減り、回転効率の向上につながるカスタムです。VIKINGではコストパフォーマンスが非常に高いWISHBONE製のセラミックBBをおすすめしています。

関連記事:純正からのグレードアップにWISHBONE(ウィッシュボーン)のセラミックBBはどうでしょう?

コリドーレ公式HP

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こちらはカンパニョーロのコンポーネントを分解し、洗浄後の画像です。クリーニングをすることでここまできれいによみがえります。分解時の汚れや錆が激しい場合はさらにネジ1本1本まで分解し洗浄します。

こちらはシマノ・デュラエースR9100のコンポーネントを洗浄、グリスアップし組付け前の様子です。黒光りしていますね。大きな傷などがなければ新品か見間違えることもあります。

また、錆びているネジは、極力新品に交換します。これも購入時の性能に回復させるための1つの方法です。

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またフルメンテナンス、オーバーホールの際に、リアディレイラーのプーリー(歯車)を回転性能が良いものにカスタムすることもおすすめしています。回転数が上がることは摩擦抵抗を抑えられるということなので、長時間ライドの疲労軽減や長期的なスピードアップにもつながります。特にロードバイクユーザーにおすすめをしているカスタマイズです。

例えば以下のようなセラミック製のベアリングを使用したプーリーなどが摩擦抵抗抑制に効果があります。

関連記事:セラミックベアリング化にRIDEAのビッグプーリーという選択。

ミズタニ自転車公式HP

STEP 4 ホイールのメンテナンス

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オーバーホールではもちろんホイールのメンテナンスも行っていきます。まずはホイールの振れ取りを行い、縦横にブレがないか確認し、調整していきます。この際にスポークが曲がっていたり、折れている場合は新品に交換します。

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ホイールの回転の中枢であるハブも分解洗浄し、グリスを塗ります。その際に使用するグリスは基本的に粘性の低いものを使用しています。粘性が高すぎるとベトベトすることと、それによって回転を妨げる場合があるからです。

また、ホイールメーカー指定のグリスがある場合はそちらを使用します。DT SWISS社のハブは同社専用グリスを使用します。

カンパニョーロのハブを分解するとこのように多数の部品で構成されているのが分かります。オーバーホールではここまで分解し、メンテナンスを行っていきます。

STEP 5 フレーム、フォークのクリーニング、磨き、ガラスコーティング

コンポーネントやパーツのクリーニング、グリスアップを行った後は、洗車で部分的に残ったフレームとフォークをクリーニング、さらに専用の機械を使用し磨きをかけます。フレーム、フォークがきれいになるだけでも印象が変わりますね。

さらにオーバーホールのタイミングで、フレームのガラスコーティング施工をおすすめしています。フレームは普段なかなかフレームを単体にできませんから、オーバーホールのタイミングがばっちりなのです。上記の画像はガラスコーティング施工後の状態です。通常のワックスでの光沢よりもさらに艶が出ているように見えませんか?

ガラスコーティングは自動車やオートバイにもよく行われるサービスですが、ロードバイクを始め自転車のフレームやパーツにももちろん施工できます。

ガラスコーティングのメリットとして、

・ガラスに覆われたような独特の艶感が手に入る
・汚れも付きにくく、汚れが付着してもほとんどの場合水洗いで落とすことが可能
・塗装面の3倍に硬化し、小傷の入りにくいフレームになる

主に以上3つのメリットがあるので、オーバーホールの際は是非検討してみてはいかがでしょうか。オーバーホール工賃+6,000円(税別)でガラスコーティングの施工を行います。

ガラスコーティング関連記事:フレーム・フォークのガラスコーティングはオーバーホール・フルメンテナンスの時がおすすめ 

STEP 6 パーツの再度組み付け

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以前のSTEPで分解洗浄したコンポーネント、パーツを組み付けていきます。また今回の作業で選んだカスタマイズパーツもこのタイミングで組み付けていきます。この段階では完全に精度を出すというより、仮組に近い状態にして、最終工程の全体調整で完璧にします。

写真はシマノの電動式リアディレイラーであるDi2ですがVIKINGでは電動式コンポーネントの取り扱いももちろん可能です。シマノのほかにSRAM、カンパニョーロEPSの取り扱い、メンテナンスも承ります。

STEP 7 油圧ディスクブレーキのブリーディング

近年のロードバイクのスタンダードはディスクブレーキ仕様となりました。ブリーディングとはブレーキのオイル交換のことでリムブレーキ仕様の自転車には無い油圧ディスクブレーキ専用の工程です。

シマノ、SRAM、カンパニョーロいずれのメーカーもブリーディングを行う際はこのような注射器を使用してオイルを送り込みます。

VIKINGではロードバイクの油圧オイルシステムの作業もおまかせください。オーバーホールの際はディスクブレーキオイルを交換し、タッチや効きの改善を図っていきます。

STEP 8 最終全体調整、完了

主に上記の8つの工程で、作業を行います。これを弊社ではCメンテナンスと呼んでいます。毎日自転車に乗るユーザーさんには年に1度は行ってほしいと考えています。

オーバーホールの料金のおさらいと納期

作業料金は上記の表の通り、シングルスピードで税別25,000円からとなり、消耗品等の補修パーツは別途いただいています。作業期間は2週間ほどでお渡しいたします。作業料金は車種や仕様により異なりますので、ご不明な点等ありましたらお問い合わせください。お見積りも承っています。

作業工賃:25,000円(税別)~ 消耗品パーツ別途料金
作業期間:約2週間

ロードバイク、ミニベロ、クロスバイク、シングルスピードなどジャンル問わずフルメンテナンス、オーバーホールを承りますので、こちらのお問い合わせページまでお気軽にお問い合わせください。

またメンテナンスに関して、こちらの記事も参考にしてみてください。フルメンテナンス、オーバーホール以外にもメンテナンスコースを設けています。

関連記事:自転車のメンテナンス 予算に合わせた3つのコースとは?

関連記事:メンテナンス記事一覧

過去にCメンテナンス(オーバーホール)を行ったバイク

最後にこちらにおいてVIKINGが今までにオーバーホールさせていただいたユーザーさんの車体を紹介しています。是非ご参考いただければと思います。

それでは。

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